不定愁訴? 自律神経失調症? 更年期障害?
ストレス社会といわれている現在、多くの男性や女性が理由が分からない身体の不調、精神の不調を感じています。頭痛やイライラ、動悸や息切れ、めまい、立ちくらみ、吐き気、不眠や慢性疲労、のどの詰まり感、肩こりや腰痛など・・・こうした症状は働き盛りの30代や40代ばかりでなく、10代後半から70代まで、実に様々な年代の人たちにみられます。
これらの不定愁訴と呼ばれる症状について、その症状や治療法、予防法などの基礎的な知識をご紹介しています。
倦怠感、頭痛、腹痛などの身体的な症状があるにもかかわらず
血圧や心電図、血液検査などをしても検査上の数値には異常がなく
明らかな原因となる身体的異常が見つからない場合、不定愁訴と診断されることがあります。
不定愁訴は、「疲れやすい」といった体全体に及ぶ症状や「頭痛と腹痛」「食欲不振と耳鳴り」「めまいと不眠」といった関連性のない部位でいくつかの症状が同時にみられたり、「手足のしびれ→お腹の張り→激しい動悸」と症状が多様で一定しないなど症状がめまぐるしく変わるのが特徴です。
【 全身の症状 】
倦怠感、疲れやすい、突然のほてり・のぼせ、動悸、大汗をかく、皮膚のかゆみ など
【 感覚器 】
耳鳴り、嗅覚の異常、味覚の異常、物が二重に見える、唾液分泌の異常、口内乾燥、眼球乾燥 など
【 消化器 】
食欲不振、胃痛、胃もたれ、頻尿、便秘、下痢 など
【 運動器 】
首や肩・背中のコリ、手足のしびれ、手足の冷え など
【 泌尿器・生殖器 】
残尿感、頻尿、血尿、月経異常、性欲低下、性交痛 など
【 その他 】
頭痛、頭重、めまい、息切れ、イライラが続く、不安感が続く、不眠症、ノドの異物感 など
このように不定愁訴は、症状が多彩で一定せず、日によって或いは1日の内に何度も症状が変化するなど、症状の出方に波があります。
不定愁訴の症状は、「勝手で、わがままな訴え」と思われがちな症状なだけに周囲の充分な理解が求められます。
不定愁訴という症状は、環境や季節の変化、蓄積疲労、ストレスなどにより自律神経が乱れる(自律神経失調)ことによって引き起こされると考えられています。
不定愁訴の症状は他人には分からないつらさや不快感があるものです。
体のふらつき、微熱、めまい、肩こり、慢性疲労などがあり、いつも体の不調を抱えている、毎日がとてもつらい・・・
このような不定愁訴の症状に悩み、整形外科や内科・婦人科・耳鼻科などで受診しても、明らかな異常が見つからず
「気のせいです。」とか「ストレスですね。」とか説明されるケースが多く
「更年期障害」「低血圧症」「メニエール症候群」などの病名がつけられて、対症療法がおこなわれたりします。
しかし、何回病院に通っても症状が改善しない場合が少なくありません。
最初に挙げた不定愁訴の症状には、自律神経失調症という診断名がよくつけられます。
自律神経失調症は、内臓や器官には異常はなくても生活習慣の偏りによって体を働かせる自律神経の機能が低下して起こるものです。
そのために臨床検査では異常が現れないことが多く、また様々な病態が関係しているため、診断が難しいこともあります。
女性の更年期は、一般的に閉経前後10年間ほどの期間をさしています。
卵巣機能の低下や女性ホルモンの減少によって
不眠や頭痛、めまい、耳鳴り、イライラや不安感、肩こり、頭痛などの症状が出てきます。
内科では、自律神経失調症と診断されることもあり、婦人科で更年期障害と診断される場合もあります。
更年期障害の治療には、ホルモン補充治療や抗うつ剤などが使用されますが
更年期障害はホルモンの減少やアンバランスだけでおこるわけではありません。
つまり、女性ホルモンを補充しても全ての症状が治癒するわけではないのです。
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